業務過誤賠償責任保険普通保険約款 IT事業特約

IT事業者向け業務過誤賠償責任保険

AIG損保のIT事業者向け業務過誤賠償責任保険は、IT事業者が提供するITサービスにミス(欠陥など)があったため、ユーザー等の第三者に経済的な損害が発生し、その結果、IT事業者が損害賠償請求された場合に負担する法律上の損害賠償責任を補償します。

IT事業者のリスク

ちょっとしたミスが大きな損害に、そんなIT業界をお守りするのがAIGのIT事業者向け業務過誤賠償責任保険です!

IT事業者をとりまくリスク

  • システムの高度化・複雑化
  • グローバル化による競争激化
  • 技術者不足などによる過密スケジュールがもたらすミス
  • ミスのない完璧なシステム開発を求めるユーザー

想定される事故事例

サービス 事故内容
システム開発 納品した物流オンラインシステムにデータ入力して処理すると長時間誤作動が生じて不具合が見つかった。その結果、顧客からシステムが使用できなかった期間の代替手段に要した費用等について損害賠償請求された。

システム管理

サーバの保守業務を受託したが、予想される最大のアクセス量に見合わないサーバを誤って設置したことが原因で、サーバがキャパシティオーバーで停止してしまった。その結果、顧客から業務を停止した期間の対応に臨時に要した費用について損害賠償請求された。
パッケージソフトウェア開発
顧客先においてパッケージソフトのカスタマイズ作業中に、誤って顧客データを消去してしまった。データの復元費用につき損害賠償請求された。
ASP、SaaS 顧客と代理店間を結ぶ管理システムをSaaSにより提供していたが、誤ってサーバを3日間停止させてしまった。顧客が代理店から徴収不能となったシステム利用料につき、損害賠償請求された。
インターネットサービスプロバイダ(ISP) ネットワーク接続契約の付帯サービスとして提供していたレンタルサーバで、システム変更の際に管理していた顧客のホームページのコンテンツを誤って消滅させてしまった。その結果、顧客からホームページの再作成費用およびホームページ閉鎖による逸失利益について損害賠償請求された。
情報処理サービス 受託している給与計算プログラムの不具合により、顧客従業員に給与の誤払いが発生した。その結果、顧客から給与の再計算に要する人件費などの臨時費用を損害賠償請求された。
  • 上記はあくまでも想定事例であり、実際の事故発生時には個別調査のうえ、保険金の支払い可否(有無責)を判断します。

特長

1. システム納品直後の事故にも対応!

システムやソフトウェアの納品直後から補償しますので安心です。
納品後30日間等の免責期間(保険金をお支払いできない期間)がありません。

バスタブ曲線とは?
システムの不具合発生率は時間の経過とともにお風呂のバスタブのようなカーブを描くため、「バスタブ曲線」と呼ばれています。
バスタブ曲線はハードウェアにおいて形容されることが多いですが、ソフトウェアでも同様で、稼働直後の発生期間(初期期間)に集中して不具合(バグなど)が発生します。
初期期間を経過すると不具合率が減少する安定期に入ります。その後、仕様変更や機能追加などが繰り返されることにより、また不具合が増えていきます。

2.保険期間の開始前に行った業務も補償の対象!

保険期間の開始前に既に着手または納品しているITサービスのミスを原因とする損害賠償請求も補償の対象です。

  • 保険期間の開始日において損害賠償請求がなされることが合理的に予想される場合は、補償の対象となりません。

3. データの復元費用を補償!

ユーザーから預かったデータを誤ってき損、紛失または消去してしまった場合に、IT事業者(被保険者)自身が復元に要する費用を補償します。

  • 1,000万円を限度にお支払いします。ただし10万円は自己負担となります。

IT事業者向け業務過誤賠償責任保険によって期待される効果

高額の損害賠償金をリスクヘッジ
ITサービスのミスを原因とする逸失利益等の高額の損害賠償金をリスクヘッジできます。

業務拡大への注力が可能
万一の際の賠償資力を確保しておくことで、業務拡大に注力できます。

賠償資力の確保により、説明責任を果たせます。
ITサービスのミスを原因とする賠償責任リスクに対して、賠償資力を確保する事により、取引先・株主などへの説明責任を果たせます。

財務の安定化
毎年所定の保険料を支払うことにより、事故時の特別損失を防止・軽減できます。

補償内容

IT事業者向け業務過誤賠償責任保険とは

保険の概要

この保険は、IT事業者が提供するITサービスにミス(欠陥など)があったため、ユーザー等に経済的な損害が発生し、その結果、IT事業者が損害賠償請求された場合に負担する法律上の損害賠償責任を補償します。

商品構成

保険対象となる主なIT業務

この保険で対象となるIT業務です。

保険対象となる主なIT業務 内容
システム開発 ユーザーの社内システムの開発・構築・メンテナンスなどを行う業務(システム開発・システムインテグレーション、システムコンサルティングなど)

システム管理

システムの保守・管理を提供する業務(顧客のデータ等を管理する業務など、インターネットホスティング、ハウジングなどを含む)
パッケージソフトウェア開発 パッケージソフトウェアを開発する業務
ASP、SaaS ビジネス用のソフトをインターネット経由で顧客にレンタルする業務
インターネットサービスプロバイダ(ISP) インターネットへの接続サービスおよび付帯サービスを提供する業務(ドメイン登録、ポータルサイト運営)
情報処理サービス 顧客のデータ入力、処理、加工等を行う業務

上記以外のIT業務については、お問い合わせください。

ご契約について

基本契約について

損害賠償金・争訟費用・コンピュータ記録復元費用

IT事業者の提供するサービスが原因で、取引先など第三者に損害を与えてしまい、損害賠償請求された場合に保険金をお支払いします。お支払いする保険金は以下のとおりです。

  1. 損害賠償金
  2. 争訟費用(弁護士費用など)
  3. コンピュータ記録復元費用

コンピュータ記録復元費用とは…
IT事業者が、その業務遂行のために顧客その他の第三者から預かったコンピュータ記録を管理している間(運送中を含みます。)に、そのコンピュータ記録をき損、紛失、消去してしまった場合に、1,000万円を限度に保険金をお支払いします。ただし10万円は自己負担となります。

オプション特約について

コンテンツ事業特約

兼任しているコンテンツ業務も補償対象にしたい!

広告業やデジタルコンテンツ業などのコンテンツ業務を兼業している場合、当該コンテンツ業務を補償の対象に含めます。

知的財産権特約

第三者の知的財産権を侵害したことによる損害賠償責任を補償!

著作権・商標権など第三者の知的財産権(ただし、コンピュータプログラムの著作権、特許権、営業秘密は除きます。)の侵害による損害賠償責任を補償します。

コンピュータアタック特約

ウイルスや不正アクセスを原因とする損害賠償責任を補償!

人的なミスだけでなく、ウイルスや不正アクセスなどのコンピュータアタックを原因として発生した損害賠償責任を補償します。

請負人担保特約

下請負人も補償の対象に含めます!

IT事業者の下請負人の設計ミス、プログラミングの不具合などによる損害賠償責任について、下請負人も補償の対象に含めます。下請負人に委託した業務について、無記名かつ包括的に下請負人を補償します。

  • 下請負人が、日本国内で行った業務が補償の対象です。

海外開発担保特約

海外での開発(オフショア開発)について、海外下請負人も含めて補償!

IT事業者の下請負人が海外で行う開発(オフショア開発)での設計ミス、プログラミングの不具合などによる損害賠償責任を補償します。海外の下請負人も補償の対象に含めます。

  • 日本国外で発生した損害賠償請求は、補償の対象になりません。

派遣先業務担保特約

IT派遣での賠償責任を補償します!

IT事業者が労働者派遣法に基づいてエンジニア等を派遣した場合、派遣したエンジニア等の設計ミス、プログラミングの不具合などによって生じた、派遣先に対する損害賠償責任を補償します。

  • 派遣先は日本国内の事業者に限ります。

保険金をお支払いできない主な場合

主に次の事由によって生じた損害に対しては、保険金をお支払いすることができません。

  1. 故意または犯罪行為
  2. 身体の障害、財物の損壊(ただし、ハードウェアに係る財物の損壊については、適用しません。)
  3. 知的財産権の侵害(知的財産権特約をセットすることにより補償されます。ただし、特約をセットしてもコンピュータプログラムの著作権侵害に起因する損害賠償請求は補償されません。)
  4. 契約上加重された責任・保証(損害賠償の予定を含みます。)
  5. 履行遅滞または履行不能
  6. 親会社または子会社からの損害賠償請求(ただし、親会社または子会社に対して他人からなされた損害賠償請求の求償分については、お支払いの対象となる場合があります。)
  7. 回収および廃棄に伴う費用
  8. 機械、電気系統の故障、または電気通信、衛星システムの障害
  9. 所有、使用、管理する個人情報の漏洩
    (ただし、法人等に対する名誉毀損、信用毀損等、商品またはサービスの販売または提供を中断、終了したこと等に起因する損害は補償の対象です。)
  10. 金融機関による、資金、通貨、有価証券その他決済手段の伝送
  11. 金融商品取引(先物、オプションおよびその他派生商品の取引を含みます。)
  12. この保険の対象業務の見積りが正確でなかったこと。
  13. ウイルス、不正アクセス(特約をセットすることにより、補償できます。)
  14. 特許権侵害、営業秘密の不正使用
  15. 製造物責任
  16. 保険期間の開始日前にすでになされている損害賠償請求
  17. 保険期間の開始日において、被保険者が損害賠償請求がなされることを合理的に予想できた事由
  18. 日本国外の行為に起因する、または日本国外でなされた、もしくは係属している損害賠償請求

など

ご注意

ご契約時にご注意いただくこと

ご契約にあたって

  • 保険料は貴社の業務の内容、直近会計年度(1年間)の売上高などにより個別に算出します。
  • お見積もりにあたっては、次の書類をご用意ください。
  1. 直近会計年度(1年間)の損益計算書(写)
  2. 質問書
  3. その他保険会社が必要とする書類

告知義務

ご契約者または被保険者は、ご契約締結の際、申込書記載事項(保険契約申込書およびご契約の締結にあたってご提出いただく付属書類の記載事項をいいます。)について、弊社に事実を正確に告知いただく義務(告知義務)があります。特に申込書で※を表示した項目への記載はご注意ください。告知義務の対象となる主な項目は、次のとおりです。

  1. 保険の対象業務の内容
  2. 保険料の算出基礎(売上高 など)
  3. 同様の補償内容を提供する他の保険契約(共済を含む)の有無とその内容

また、故意または重大な過失により、申込書記載事項について弊社に知っている事実を告げられなかった場合や事実と異なることを告げられた場合は、保険契約を解除させていただくことや保険金をお支払いできないことがありますのでご注意ください。

ご契約後にご注意いただくこと

通知義務

ご契約者または被保険者は、ご契約の後、通知事項(申込書記載事項のうち、通知義務の対象として保険証券に※を表示した項目をいいます。)に変更が生じる場合は、事前に取扱代理店・扱者または弊社にご連絡のうえ、変更の承認請求を行なっていただく義務(通知義務)があります(事前に変更の事実を確認できない場合は、遅滞なく、ご連絡いただく義務があります。)。通知義務の対象となる主な項目は、次のとおりです。

  1. 保険の対象業務の内容
  2. 保険料の算出基礎(売上高 など)

弊社では、ご通知いただいた内容に基づき、ご契約の変更承認を行います。この場合、保険料の返還または追加請求をさせていただく場合があります。追加保険料が発生する場合は、契約内容の変更と同時に払い込みください。追加保険料が払い込まれない場合は、保険契約を解除させていただくことや保険金をお支払いできないことがありますのでご注意ください。
なお、通知義務にかかる変更のご連絡がない場合や遅れた場合には、保険金をお支払いできないことがありますのでご注意ください。また、この保険の対象となる危険が著しく増加した場合などにおいては、この保険契約を解除させていただくことがあります。

その他

告知・通知の受領権および契約締結の代理権

告知事項、通知事項につきましては、取扱代理店・扱者または弊社にご連絡ください。
弊社の損害保険募集人は、保険契約の締結にあたり、告知・通知を受領する権限および保険契約締結の代理権を有しています。

示談交渉について

弊社は相手方(被害者など)との示談、調停等の法律行為を行うことはできませんが、示談の進め方や示談内容等について、アドバイスをさせていただきます。なお相手方との示談についてはお客さまご自身で進めていただきます。

このページにおけるご注意

  • この情報は2018年1月1日現在のものです。

このページは保険商品の概要をご説明したものです。
詳細につきましては、パンフレット等をご覧いただくか、取扱代理店・扱者または弊社にお問い合わせください。
また、ご契約に際しては、保険商品についての重要な情報を記載した重要事項説明書(「契約概要」「注意喚起情報」等)を、事前に必ずご覧ください。

無断での使用・複製は禁じます。